私的妊婦生活まとめブログ!

妊活~出産までの情報をまとめました

産褥期に娘さんのお世話をするお母様たちへ(2)

育孫に関する心構え

昔は育児に関する情報は、自分の親や祖母、先輩ママさんたちから取得していましたが、現代では育児方法について様々な研究が行われ、最新知識が産院や役所の母親学級、雑誌、インターネットなどから得られるようになりました。

そのため、お母様たちが「育児はこうするのが常識」とか「赤ちゃんにはこうしたほうがいい」という価値観や善意とは異なる行動を娘さんたちがとるかもしれません。

ですが、お孫さんの母親は娘さんです。

娘さんに育児を任せてください。

本人が色々やってみてうまくいかないときに、経験に基づく知恵を授けるのはいいかもしれませんが、娘さんは必ずしもそれを実行するとは限りません。そうだとしても、怒らないでください。自分で試行錯誤したいのです。

 

今と昔はこんなに違う

昔の常識と今の常識は大きく変わりました。娘さんは今のスタイルしか知らないと思いますし、年代によって育児方針が多少違うので、自分の母親に対してどう説明すればいいかわからないでしょう。ですが、一般的な育児方法の違いにはこんなことがあります。

 

お風呂編

昔 沐浴上りには白湯

今 赤ちゃんのタイミングに合わせて母乳又はミルク

赤ちゃんの胃袋はとっても小さく、白湯を与えてしまうとその分の要領が栄養のない白湯に取られてしまい、母乳やミルクを十分に飲めなくなります。お湯の温度はぬるめですし、沐浴そのものを「手早く、赤ちゃんを疲れさせないようにスピーディーに」という風に言われているので、そもそも白湯で水分補給をしないといけないくらい脱水状態にはありません。 

 

昔 赤ちゃんの沐浴はベビーバスに沐浴液を入れ、丁寧にガーゼでこすって洗う

今 洗面台のシャワーなどの流水で洗い、指の腹で優しく泡たっぷりに洗う

赤ちゃんの皮膚はとっても薄くデリケートです。沐浴剤を使って洗った場合、洗い残しが皮膚に残り、皮膚が荒れてしまいます。また、ガーゼでこするのも大人に例えればたわしでごしごし擦るようなものです。

泡たっぷりの赤ちゃん用のシャンプーを使い、指の腹で優しくなぞるように洗うくらいで十分です。

最新の研究では、アレルギーは肌の傷口から異物が体内に取り込まれることで起きやすくなるということが分かってきました。そのため、赤ちゃんの肌の負担をより少なくすることが重要とされており、泡はシャワーヘッドからの流水で流すくらいがちょうどいいと言われています。

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昔 お風呂に入れる時は赤ちゃんの耳をしっかり押さえて耳の中にお湯が入らないようにする

今 耳は押さえず、お風呂上りに綿棒で水分を拭きとる

耳をめがけてシャワーをかけない限り、耳の穴の中に水が入ってしまうことはありません。ですので、耳を抑える必要はありません。上記の動画でも特に耳をふさぐシーンはないですし、もし水が多少耳の溝に入ってしまっても綿棒で拭き取れば問題ありません。

 

昔 へその緒はアルコール消毒する

今 沐浴から上がったら、綿棒で水分を拭きとって乾燥させる

赤ちゃんのへその緒、昔はアルコール消毒をしていましたが、いまはベビー綿棒などの細い綿棒でぐりぐりと沐浴でついた水分を拭き取ります。片方の手でおへそ部分を広げながら拭き取ると、へその緒とお腹の皮膚の隙間についた水分をとることができます。おむつでへその緒を覆わないように、おむつのおへそ部分を切り取るか、あるいは折り返して使います。

 

昔 お風呂上がりの赤ちゃんにはベビーパウダー(シッカロール)をかける

今 お風呂上がりの赤ちゃんには赤ちゃん用の保湿ローションや白色ワセリン(プロペト)で保湿する

赤ちゃんのお肌のケア方法はこの数年でがらりと変わりました。先ほど述べたように、赤ちゃんのスキンケアはアレルギー予防等にとっても重要視されています。ベビーパウダーは赤ちゃんの首の間や太もものしわに入り込んでしまい、皮脂と混ざって肌にダメージを与えかねません。ですので、お風呂上りにはローションなどで保湿するだけで十分です。

 

 ミルク・母乳・食事編

昔 母乳よりミルクのほうがいい

今 母乳でもミルクでも、生後半年間はそれだけで十分な栄養があります

母乳でもミルクでも、赤ちゃんが必要とする栄養素は十分含まれています。完全母乳よりも混合のほうがいい、ということはありません。

また、逆にミルクよりも母乳のほうが優れている、というわけでもありません。確かに、母乳には解明されていない栄養素が含まれていることがありますし、粉ミルクはアレルギー持ちのお子さんには危険だったり便秘しやすくさせたりということはありますが、いろんな事情でミルクを足さないといけない場合、完全ミルクにしないといけない場合がありますので、「ミルクはかわいそう!」なんて言わないでください。産褥期は疲れてますし、ホルモンの急激な変化で心が不安定です。

 

昔 果汁でビタミン補給しないと赤ちゃんの栄養が足りない

今 果汁は1歳過ぎまで飲まない。生後半年くらいまでミルク・母乳で十分

生後半年までは母乳やミルクのみで十分栄養が取れています。果汁は糖分が多く、脂質、タンパク質、ミネラルなどがほとんど含まれていません。果汁を飲むことによって、母乳やミルクを飲む量が減ってしまいますし、消化器官が未発達な赤ちゃんが果汁を飲むとうまく成分を消化できず、健康状態が損なわれたり、アレルギーが出たりすることがあります。果汁はいりません。母子手帳にも果汁についての記載が2007年で削除されています。

 

昔 乳首を消毒してから授乳する

今 乳首は消毒しなくていい

赤ちゃんはお母さんの皮膚から常在菌という雑菌を取り込むことによって元気になります。また、新生児期は授乳が頻繁で、まだ授乳に慣れていないデリケートな乳輪や乳首が消毒によって傷つきやすくなるため、授乳の際は特に消毒する必要はありません。

衛生面については毎日シャワーを浴びていれば問題ないです。 

 

昔 母乳を上げる時は15分で切り上げる

今 赤ちゃんが満足するまで上げ続ける

赤ちゃんは満腹になったり、母乳が出なくなったりしたら、自分から乳首を離します。入院中の授乳指導で娘さんは片方の胸から5分~10分ほど授乳し、赤ちゃんのげっぷを出して、それからまた同じくらいの時間を反対側の胸から授乳するように言われているはずです。うちの母は「合計15分まで!」とずっと言い続けており、母乳外来で「赤ちゃん自身が満足するまで上げ続けていいのよ」と言われてることを伝え続けても「甘やかしだ~」「スポック博士は~」「赤ちゃんの自立心を~」とかたくなに言い続けていました。 

  

昔 授乳は斜めに抱きかかえるだけでいい

今 いろんな方向から吸ってもらうことで乳腺炎を予防する

新生児は吸う力がまだ弱いため、顎と上唇のある位置の乳腺からは母乳をよく吸うことができますが、それ以外の乳腺から母乳が出にくくなります。そのため、授乳クッションなどを使って、いろんな角度から吸わせることが重要になってきます。

 

昔 乳腺炎になったらじゃがいもやサトイモをすりおろしたものを湿布にする

今 生の野菜には食中毒菌がついている場合がありますので、市販の湿布や保冷剤で

大人の人が摂取しても問題ないわずかな菌でも、生まれて間もない赤ちゃんにとっては命の危険を招くこともあります。そのため、昔ながらの生野菜を使った湿布は使わず、市販の例湿布や保冷剤を使用します。

というか、乳腺炎になりかかっていたらいろんな方向から赤ちゃんに吸ってもらえるように、授乳クッションや座布団などを使って吸わせたり、母乳外来で指導を受けてマッサージを授乳前に行ったりする方がいいかもしれません。

 

赤ちゃんとのコミュニケーション編

昔 赤ちゃんはしばらく泣かせるのがいい

今 赤ちゃんは泣いたらすぐお世話する

赤ちゃんは不快なことがあると泣いてしか伝えられません。お腹すいた、暑い、寒い、痛いなど、新生児が泣くということは、ほとんどの場合すぐにお世話しないといけないです。しばらく泣かせておきなさい!とお世話を阻止されるのは、母性が芽生えている娘さんにとってかなりつらいことですので、お世話しようとしていたら止めないでください。

 

昔 抱き癖が付くから赤ちゃんはなるべく抱かない

今 「抱き癖」というのは存在しないので、好きなだけ抱っこする

新生児期に、自分の赤ちゃんを抱っこしてスキンシップを取ることによって、娘さんは愛着ホルモンが増え、母性がより強くなります。赤ちゃんも「この人が自分のことを守ってくれるんだ」と安心してくれるようになり、将来大きくなったときに情緒が安定すると言われています。また、直近の効果としても、母子の皮膚が直接触れる時間が長いと、母乳の分泌量が増えることもわかってきています。

 

昔 赤ちゃんは大人が何を言ってるかわからないし、覚えてないからほっといていい

今 目を見て話しかけてあげないと赤ちゃんは死んでしまいます

大げさだと言われるかもしれませんが、昔のローマ帝国や旧ソビエト時代の某国で、「赤ちゃんに栄養は与え、しっかりお世話をするけど抱き上げない、目を見ない、話しかけない」というお世話の仕方を赤ちゃんに施した結果、ほぼ100%の赤ちゃんが死んでしまっていたそうです。赤ちゃんは人のぬくもりを感じ、コミュニケーションをとらないと死んでしまいます。

そこまで極端な育児をすることはあまりないと思いますが、赤ちゃんは覚えていなくても、大人の人とスキンシップを取り、目を見て話しかけてもらうことで心身の健康を保つことができます。赤ちゃんだから放っておいて大丈夫、ではなく「赤ちゃんだから放っておかない」が大事です。

(とはいえ、娘さんが通常の生活に戻ったら家事などもありますからべったり24時間見続けることはできませんし、見たこと、聞いたことを赤ちゃん自身が処理するために多少の一人の時間が必要なので、全力でずっと見続けなきゃいけない!というわけではありません)

 

昔 赤ちゃんには時には我慢をさせ、自立心を早期から芽生えさせる

今 早期に厳しくしても効果はありません。要求にすぐ応えましょう

これも「スポック博士」の方針らしく、母が横で何度も言い続けていました。

新生児は自立心など芽生えようもなく、厳しくしたからと言って赤ちゃんにいいことはありません。ちなみに、私自身を「そうやって育てたおかげで、1日中おとなしく寝ているいい子だった!」と母は自信満々でしたが、1歳で低血糖で死にかけるくらい空腹感を訴えないおとなしい子ということを母は忘れています(;'∀') 

 

おむつ・排泄編

昔 布おむつ一択

今 紙おむつが主流だけど、布おむつ派もいる

布おむつを使っている人もいますが、紙おむつを使っている人はとても多いです。紙おむつは使い捨てで便利なだけでなく、お尻が蒸れにくくおむつかぶれができにくい、おしっこやウンチをしたら外側から見てすぐわかる、布おむつよりも漏れにくいなど、たくさんの利点があります。

布おむつにしてあげるのが赤ちゃんのため!というわけではありませんし、布と紙、どっちがより偉いということもありません。娘さんが選んだ方を認めてあげてください。

 

昔 おむつを交換する場合はしっかり膝を伸ばした状態で抑え込む

今 おむつを交換する場合、膝を曲げたまま、赤ちゃんの足裏をくっつける形で持ち上げる

これは絵にしたほうが分かりやすいですね。おむつ交換の手順はこんな感じです。

 

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おむつ交換の仕方イラスト1

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おむつ交換の仕方イラスト2


足をこのようにあげることで、股関節が脱臼しにくいです。膝をまっすぐにして持ち上げると、赤ちゃんの股関節が脱臼してしまうこともあります。(脱臼して赤ちゃんは痛くて泣いたりしませんので、わかりづらいです)

 

 

昔 おむつ交換の度にベビーパウダー(シッカロール)をかけておむつかぶれ防止

今 おむつかぶれは擦らずにお尻を拭くこと、こまめにおむつを交換することなどで防げます

ベビーパウダーやシッカロールは赤ちゃんのデリケートな皮膚には合いません。お尻が蒸れることでたしかにおむつかぶれが起きやすくはなりますが、お尻を拭いた後、しばらく手で仰いでおしりふきの水分を飛ばすことで蒸れを防止することができますし、おむつの種類によってはほとんど蒸れないように設計されている物があります。

おむつの交換のタイミングは、おむつに縦の青い線が出たらです。

おむつのメーカーによっては「まだ全然吸収できるじゃない」と思っていても、赤ちゃんが濡れたおむつを気持ち悪がって泣くこともあるので、赤ちゃんがむずがったり、泣いたりしたらとりあえずおむつを交換してみるのもいいでしょう。

うんちがお尻にこびりついて取れない場合は、ティッシュにたっぷり40度くらいのお湯をふくませ、お尻に当てて、ふやかしてとるのがいいでしょう。

 

赤ちゃんの温度管理 

昔 赤ちゃんはぽかぽか暖める。顔が赤いのが普通

今 新生児は大人より服を1枚多く、それ以降は1枚少なく。お湯はぬるめで。

 赤ちゃんの手足はひんやり。お腹や背中、首の後ろはほんのり暖かいくらいが適温です。お腹や背中が厚くなったり、首の後ろが汗ばんでいる場合は暑すぎます。

生後6か月以下の赤ちゃんは、熱がこもると死にやすいです。そのため、適切な室温や着衣というものがあります。

手足に触るとひんやりしているから…と毛布をかぶせたり、靴下や手袋をはめたりすると、上手に放熱ができなくなり、赤ちゃんがぐったりしてしまったり、下手すると死んでしまうことがあります。

良かれと思って下手に暖めすぎないようにしましょう。特に足裏がしっとりしている時は体温調節の真っ最中ですので、下手に室温や衣服を変えると赤ちゃんの負担になります。

沐浴やお風呂の温度は38~40度が適温です。また、お風呂時間が長いと体力を消耗したり、脱水状態になったりします。ですので、服を脱がせてからまた着せるまで10分程度を目安に手早くシャワー・お風呂に入れます。大きくなって体力がついてくるともう少し長くてもいいですが、新生児期は手早くさっとが原則です。

 

昔 赤ちゃんは室内でも帽子、靴下、手袋を着用

今 室内では帽子や靴下、手袋をつけません

先ほどと重複しますが、赤ちゃんは熱がこもると死にやすいです。ですので、寒い屋外に出る時以外は、肌着などの服だけで十分です。赤ちゃんは頭や手のひら、足裏から熱を逃がして体温調節をしています。

手や足がぽかぽか暖かい時は暑すぎる証拠です。

少しひんやりしていても大丈夫です。

また、産院から体温計でこまめに新生児の体温を測るように娘さんは指導されていると思うので、36.5~37.4度くらいの体温であれば、特に問題視する必要はありません。最適なのは37度前後と言われています。

 

その他 

昔 赤ちゃんは母親と一緒の布団で寝る

今 なるべく硬いマットの上で寝たほうが赤ちゃんに負担が少ないです

赤ちゃんは大人の柔らかい布団で寝ると、体が沈み込み、首が頭と胸の間で圧迫されて窒息してしまうことがあります。そのため、赤ちゃんは硬めの赤ちゃん用の布団やベビーベッド、クーファン等の寝具で寝させる方が安心です。

 

昔 赤ちゃんと一緒に動けるようにおんぶしてあげる

今 おんぶは早くても生後4か月から

首の座っていない赤ちゃんをおんぶすると、頭を支えきれず、首が変に圧迫されて窒息死してしまうことがあります。ですので、新生児期は基本的に横抱きのみで抱っこします。

 

一番大事なこと

昔 赤ちゃんが具合悪そう、乳腺炎になった、娘がつらそう 等は母性・根性・気合が足りないから

今 赤ちゃんのお母さんを追い詰めないで!

産後は急激なホルモンの変化で落ち込みやすかったり、イライラしやすかったりします。また、授乳などもなかなか慣れておらず、赤ちゃんの吸う力もまだ弱く、うまく噛み合わずに空腹で泣いてることが多い場合もあります。

そういう時に、もっと〇〇してみたら?頑張りが足りないんじゃないの?母親になったんだからもっと頑張りなさいなどなど、良かれと思ったり、言ってる本人に悪気がなかったりしてる発言が娘さんを追い詰めることになります。

 

私はもっと〇〇だった!と思うかもしれませんが、その記憶、20年以上前では?

産褥期、あまりにも大変で、昨年産んでるのに記憶をなくしてる友人がほとんどでした。もしかして、お母様の記憶、生後数ヶ月の赤ちゃんのことかもしれません。

 

娘さんが追い詰められてしまうと、下手すると産後うつになりかねません。善意や気まぐれの発言は意識的に言わないように踏みとどまってあげてください。もうしばらくしたら強く、太々しくなると思うので(笑)